Friday, November 29, 2013

2年振りVの武藤が取り戻した“2つの足りなかったこと”




2011年11月20日17時39分




リーダーズボード
順位 選手名 スコア優勝 武藤 俊憲 -12
2 G・フェルナンデスカスタノ -8
3 S・ローリー -7
R・バーンズ -7
5 B・ジョーンズ -6
6 小田 孔明 -5
7 片山 晋呉 -4
薗田 峻輔 -4
藤田 寛之 -4
10 山下 和宏 -3


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優勝した武藤に谷口らが祝福の水かけ(撮影:米山聡明)








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ダンロップフェニックストーナメント 最終日◇20日◇フェニックスカントリークラブ(7,010ヤード・パー71)>

 国内男子ツアー「ダンロップフェニックス」。首位と4打差からスタートした武藤俊憲が最終日9バーディ・1ボギーと大爆発。8つスコアを伸ばし、逆転で2年ぶりのツアー通算4勝目を挙げた。

武藤俊憲の今季成績

 ようやく止まっていた時間が動き出した。愛知CCで開催された昨年の「日本オープン」。首位の金庚泰(キム・キョンテ)(韓国)と1打差で迎えた最終ホール、武藤のバーディパットはカップを大きくオーバー。そこで、17ホール懸命につないできた緊張の糸がプツリと切れた。大観衆が見守る中でまさかの4パット。焦点の合わない目を宙に漂わせる武藤にギャラリーからはざわめきすら起こった。それ以来、たびたび優勝争いに絡むものの、勝利を逃し続け、今季も終盤まで未勝利で来てしまった。しかし、今大会でついに厚い壁をぶち破ってみせた。

 「あの日本オープン、そして今年もあと1歩が出なかった。でも、今日は2歩も3歩も前に出ましたね」。その2歩目、3歩目に必要だったのは、“忘れていたもの”と“忘れなくてもいいこと”だった。

 “忘れていたもの”は自分のスイング。練習日に武藤のスイングを見ていた青木功が「もっとクラブをスムーズに振れ。お前の良いところはスムーズに振ってコントロールできるところだろ」と手取り足取り熱血指導。ボールが散らばるあまり小手先でコントロールしようとしていた武藤に、“飛んで曲がらない”と評された本来のスイングを思い出させた。「色々自分でやっていく中で“忘れていた”ものでしたね」と開眼した武藤は、この日も「今日もクラブをスムーズに前に出していくだけだった」とバーディチャンスを演出。ほとんどが2メートル以内という、ショットメーカーらしい爆発劇を見せつけた。

 “忘れなくてもいいこと”は、去年の「日本オープン」最終ホールの苦い記憶だ。昨年末には茂原CCに青木を訪ね「日本オープン最終ホールのパットは良かったのか、悪かったのか教えてください」と直球の質問を投げかけたこともあったほど、忘れてしまいたい思い出となっていた。しかし、知人から「そんなの忘れなくていいんだよ。別に悪いことをしたわけじゃない。一生懸命やった結果だろ」と声をかけられたことでスッと胸のつかえがとれた。「あの経験があったからこそ今がある」。苦い記憶と正面から向き合えたことで前向きになることが出来た。

 精神状態と技術。2つの足りなかったものを取り戻して2年ぶりの優勝を果たしたが、思い悩んだ日々はこの一勝くらいでは晴れることはない。「プロとしてやっている以上はどんどん優勝出来るように頑張りたい。永久シードまであと21勝もあるからね」。苦しい思い出は歓喜の記憶で塗りつぶしていく。

【最終結果】
優勝:武藤俊憲(-12)
2位:ゴンサロ・フェルナンデスカスタノ(-8)
3位T:シェーン・ローリー(-7)
3位T:リッキー・バーンズ(-7)
5位:ブレンダン・ジョーンズ(-6)
6位:小田孔明(-5)
7位T:片山晋呉(-4)
7位T:薗田峻輔(-4)
7位T:藤田寛之(-4)
10位T:谷原秀人(-3)他4名

38位T:グレアム・マクドウェル(+4)他4名
43位T:※松山英樹(+5)他5名

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